「チャーガは活性酸素を除去するSOD様活性が強い」
「チャーガは免疫機能を活性化するβ-D-グルカンなどの多糖類が極めて多い」
このように、チャーガの薬効を探るうえで、今までよく語られてきたのが「SOD様活性」の高さと「β-D-グルカン」量の多さだった。
ところが、最近になってまた新たな成分名が注目されている。
ロシアの研究機関の調べで、チャーガが合成する「メラニン色素」に、病気を抑制する作用があることがわかってきたのだ。
また一つ、チャーガのパワーの秘密が解き明かされた。
メラニンという名は、たぶんほとんどの方が耳にしたことがあるだろう。
特に女性の場合は、肌との関わりのなかで、「紫外線から肌を守ってくれる」あるいは「シミなどの原因物質」といった認識があるのであはないだろうか。
メラニンは動物の皮膚などにある色素で、肌の色を決定したり、紫外線から肌を守るなどの重要な役割がある。
たとえば、色黒の人はメラニンが多く、色白の人はメラニンが少ないといった違いがある。
一方で、メラニンは色素沈着を起こしてシミの原因にもなってしまう。
紫外線に当たると色が黒くなるのは、肌を防御するためにメラノサィトという色素細胞が働き、メラニンを作り出すためだ。
つまり、日に焼けて肌が黒くなるのは、紫外線から肌を守る肌の機能が働いたサインなのである。
普通メラニンは皮膚の新陳代謝と共にアカとなって排出されるしくみになっている。
しかし、これがスムーズに機能しないと、皮膚の内部に取り残されて色素沈着を起こしてしまう。
その結果が女性の大敵シミである。
だからといって、メラニンが無くては困ってしまう。
メラニン生成は、人間にとって欠かせない生体の防御システムの一環なのである。
そして、チャーガが生成するフェノール系高分子色素もこのメラニンではないか、というので、研究対象となった。
実は今、科学者らの間で世界的にメラニンに対する興味が広がっている。
なぜなら、メラニンには強力な「抗酸化作用」と「遺伝子保護作用」あることが明らかになったためだ。
活性酸素除去酵素SODなどと同様に、メラニンは体液や細胞の酸化を抑え、健康を維持するための重要な働きをするといぅのである。
主に研究の対象となっているのは動植物起源のメラニンだ。
とりわけきのこなどの菌類が合成するメラニン色素は、「医薬品や化粧品の製造用として手に入り易い」、しかも「経済的に有利な原料となる可能性がある」として熱い視線が注がれている。
菌類のメラニンをうまく活用すれば、すぐれた医薬品や化粧品が製造できるのではないか、という期待が高まっているわけだ。
ただし、菌類が合成するメラニン色素は非常に研究が困難だったために、実用化が後回しになっていたのである。
そして今回、ロシアのべラルーシ国立科学アカデミー微生物学研究所では、V・G・バビーツカヤ、V・V・シチェルバ、N・V・イコンニコヴァらのチームがついに研究に着手。
チャーガが生成するメラニン色素の物理・化学的特性の究明を行なった。
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チャーガの抗癌作用を実証した日本での研究